ChatGPTなどといった対話型AIの普及により、AIが回答の中でWebサイトのリンクを紹介するケースが増えています。こうしたAI経由のアクセスが、自社サイトでも発生しているのではないかと気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、GA4とLooker Studioを使ってAI流入を可視化する方法を、初心者の方でもわかりやすく解説していきます。
AIからの流入について
ここでは、AIからの流入の説明や計測するメリットを紹介します。
AIからの流入とは
AIからの流入とは、ChatGPTやClaude、Perplexity、Gemini、Bing Copilotなどの対話型AIやGoogle AI OverviewなどのAI検索エンジンからWebサイトへのアクセスを指します。
これらのAIサービスは、ユーザーからの質問に答える際に、参考情報として特定のWebページのリンクを提示することがあります。ユーザーがそのリンクをクリックすることで、AIからの流入が発生します。
AI流入を計測するメリット
AI流入を計測することには、以下のようなメリットがあります。
1.増加が予想されるトラフィック源を早期に把握できる
AIを活用した情報収集は今後さらに一般化すると予想されています。早い段階からデータを蓄積しておくことで、将来的な変化に対応しやすくなります。
2.コンテンツの独自性や価値を測る指標になる
AIは引用する価値があると判断したコンテンツを選定します。AI流入が多いページは、オリジナリティや情報の質が高いと評価されている可能性があります。
GA4の探索レポートでAI流入を可視化する方法
Googleアナリティクス(以下、GA4と表記)の「探索」機能を使えば、AI流入を詳しく分析することができます。ここでは、セグメント機能を使ってAI流入とそれ以外の流入を比較する方法を解説します。
セグメント作成の準備
まずはGA4の探索画面を開きましょう。
1. GA4にログインします
2. 左側のメニューから「探索」をクリックします

3. 画面上部の「空白」テンプレートを選択します

AI流入セグメントを作成
次に、AI流入だけを抽出するセグメントを作成します。
手順1:セグメント作成画面を開く
探索画面の左側にある「セグメント」の横の「+」ボタンをクリックし、「新しいセグメント」ボタンをクリックします

手順2:セッションセグメントを選択する
開いた画面から「セッションセグメント」を選択します。

手順3:条件を設定します
条件ブロックで以下のように設定します
・「条件を追加」をクリック
・ディメンションで「セッションの参照元」を選択
・フィルタで「正規表現」を選択
・値の欄に以下の正規表現を入力します
.*(chatgpt|perplexity|gemini|felo|copilot|genspark|claude).*
この正規表現は、主要なAIサービス名を含む参照元を一括で指定するものです。新しいAIサービスが登場した場合は、「|(パイプ)」記号で区切って追加できます。
手順4:セグメントを保存する
セグメント名を「AI流入」に設定し、「保存」ボタンをクリックします
比較用にAI以外の流入セグメントを作成
AI流入と他の流入を比較するために、AIを除外したセグメントも作成します。
1. 前述と同じ手順で、新しいセッションセグメントの作成画面を開きます
2. 「セグメントから一時的に除外」のブロックに条件を追加します

3. ディメンション、フィルタ、値は先ほどと同じ設定にします

4. セグメント名を「AI以外」に設定し、保存します
データを確認する
作成した2つのセグメント(AI流入とAI以外)を使って、実際にデータを確認してみましょう。
1. 探索画面の左側「セグメントの比較」エリアで、「AI流入」と「AI以外」の両方にチェックを入れます

2. 「ディメンション」から「セッションの参照元」を選択し、中央の「行」エリアにドラックします

3. 「指標」から「セッション」「エンゲージメント率」などを選択し、「値」エリアにドラックします

画面右側のテーブルに、セグメント別でデータが表示されます。AIからの流入が正しく絞り込まれているか確認するには、「AI流入」セグメントのみを選択した状態で確認してください。
LookerStudioでAI流入を可視化する方法
GA4の探索でAI流入を確認できたら、次は継続的なモニタリングのためにLooker Studioでダッシュボードを作成しましょう。
Looker Studioの準備
Looker Studioは、Googleが提供する無料のデータ可視化ツールです、GA4と連携して、自動更新されるレポートを作成できます。
1. WebブラウザでLooker Studioと検索し、公式サイトにアクセスします
2. 「作成」ボタンから「データソース」を選択します

3. データソース一覧から「Googleアナリティクス」→「GA4」を選び、分析したいプロパティを選択して「追加」をクリックします

これでGA4とLooker Studioが連携されます。
計算フィールドを作成
作成した計算フィールドを使って、AI流入を可視化するグラフを作成しましょう。
1. レポート画面右側の「データソース」エリアのGA4アイコンをクリックします

2. 一番上の「計算フィールドを追加」ボタンをクリックします


3. フィールド名を「AI流入」に設定します

4. 計算式の欄に以下をコピー&ペーストします
CASE
  WHEN REGEXP_MATCH(セッションの参照元, ".*(chatgpt|perplexity|gemini|felo|copilot|genspark|claude).*") THEN "AI"
  ELSE "AI以外"
END
5. 「保存」ボタンをクリックし、「完了」で画面を閉じます
グラフを作成
作成した計算フィールドを使って、AI流入を可視化するグラフを作成しましょう。
AI流入の推移を月ごとに可視化
1. 上部メニューから「グラフを追加」→「棒グラフ」を選択します

2. 右側の設定パネルで以下のように設定します
・ディメンション:「年、月」または「日付」
・内訳ディメンション:「AI流入」
・指標:「セッション」

円グラフの作成サイトアクセス全体のうちAI流入の割合を可視化
1. 上部メニューから「グラフを追加」→「円グラフ」を選択します

2. 右側の設定パネルで以下のように設定します
・ディメンション:「AI流入」
・指標:「セッション」または「表示回数」

これで、AI流入とAI以外の流入が視覚的に比較できるダッシュボードが完成します。
生成AI時代のマーケティング戦略
この記事では、GA4の検索機能とLooker Studioを使って、サイトへのAI流入を可視化する方法をご紹介しました。
GA4の探索では、セグメント機能を活用することでAI流入を詳細に分析でき、Looker Studioでは時系列グラフや円グラフを作成することで継続的なモニタリングが可能になります。
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